
卵管造影検査について、興味はあるけど不安…と思うことありませんか?
「不妊検査で卵管造影検査をすすめられたけれど、どんな検査なの?」
「卵管造影検査は痛いと聞いて不安……」
「そもそも、なぜ卵管を調べる必要があるの?」
妊活や不妊治療を始めると、「卵管造影検査」という言葉を耳にすることがあります。
しかし、検査の内容がわからないと、痛みや検査そのものに不安を感じてしまいますよね。
卵管は、卵子と精子が出会い、受精するために重要な役割を担っています。
卵管造影検査では、造影剤を使用して子宮や卵管の状態を確認し、卵管が通っているかどうかなどを調べます。
今回は、卵管造影検査を受ける目的や検査の流れ、痛み、検査後の妊娠への影響について、わかりやすく解説します。
1. 卵管造影検査とは?
卵管造影検査(HSG)は、子宮内に造影剤を注入し、X線を使って子宮の形や卵管の通過性などを確認する検査です。
卵管は、卵巣から排卵された卵子が子宮へ移動するための通り道です。
自然妊娠では、卵管の中で卵子と精子が出会い、受精が起こります。
そのため、卵管が狭くなっていたり、詰まっていたりすると、妊娠しにくい原因となることがあります。
卵管造影検査は、妊娠しにくい原因がないかを調べるための重要な不妊検査の一つです。
2. なぜ不妊治療で卵管を調べるの?
妊娠には、卵子・精子・子宮・卵管など、さまざまな要素が関係しています。
その中でも卵管は、卵子と精子が出会うために重要な場所です。
例えば、
「排卵はしているのに妊娠しない」
「タイミング法を続けても妊娠しない」
という場合、卵管の状態を確認することで、妊娠しにくい原因が見つかることがあります。
卵管が両側とも通っていない場合には、自然妊娠や人工授精による妊娠が難しくなるため、体外受精など別の治療方法を検討することがあります。
だからこそ、不妊治療では卵管の状態を確認することが大切です。
3. 卵管造影検査では何がわかる?
卵管造影検査では、主に次のようなことを確認します。
卵管が通っているか
造影剤が卵管を通っていく様子を確認することで、卵管の通過性を評価します。
左右どちらか一方だけ通りにくい場合もあります。
子宮の形
造影剤を子宮内に注入することで、子宮の形や子宮内腔の状態を確認する手がかりになります。
卵管周囲の状態を推測する
造影剤の広がり方などから、卵管周囲に癒着などがある可能性を推測することがあります。
ただし、卵管造影検査だけですべての不妊原因がわかるわけではありません。
必要に応じて、超音波検査やホルモン検査、精液検査など、ほかの検査と合わせて総合的に判断します。
4. 卵管造影検査の流れ
医療機関によって方法や手順は異なりますが、一般的には次のような流れで行います。
STEP1 検査前の診察
月経周期やこれまでの治療歴などを確認し、検査を行う時期や方法について説明します。
STEP2 子宮内に器具を入れる
腟から子宮頸部へ器具を入れ、造影剤を注入する準備をします。
STEP3 造影剤を注入する
子宮内に造影剤を注入し、造影剤が卵管を通っていく様子を確認します。
STEP4 X線で確認する
造影剤の広がり方を確認し、卵管の通過性や子宮の形などを評価します。
STEP5 検査結果を説明
検査結果をもとに、今後の妊活や不妊治療について医師と相談します。
5. 卵管造影検査は痛い?
卵管造影検査を受ける際に、多くの方が気になるのが「痛み」です。
検査では子宮内に器具を入れたり、造影剤を注入したりするため、下腹部に生理痛のような痛みや圧迫感を感じることがあります。
ただし、痛みの感じ方には個人差があります。
卵管の状態や子宮の形などによっても感じ方は異なるため、「必ず痛い」「まったく痛くない」と一概にはいえません。
当院では、なるべく痛みを軽減できるよう、小児用チューブを使用しており、また痛みがご不安な方には処置の1時間前に鎮痛剤の使用をおすすめしています。
検査に不安がある場合は、事前に医師へ伝えておきましょう。
6. 検査後は妊娠しやすくなる?
卵管造影検査を受けた後、一定期間妊娠しやすくなる可能性があるといわれています。
造影剤が卵管を通ることで、卵管の通過性が改善されることがあり、いわゆる「卵管造影検査後の妊娠しやすい時期(ゴールデンタイム)」として知られています。
ただし、卵管造影検査を受ければ必ず妊娠しやすくなる、妊娠できるという意味ではありません。
妊娠には、卵子や精子、排卵、子宮の状態、年齢など、さまざまな要因が関係します。
検査そのものを「妊娠のための治療」と考えるのではなく、卵管や子宮の状態を確認するための重要な検査と考えるとよいでしょう。
7. 卵管造影検査についてよくある質問
Q. 卵管造影検査は誰でも受けられますか?
検査を受ける時期や方法には、月経周期や妊娠の可能性、感染症などを考慮する必要があります。
検査が適しているかどうかは、診察のうえで医師が判断します。
Q. 卵管が詰まっていたら自然妊娠はできませんか?
卵管の状態や、左右どちらの卵管に問題があるかによって異なります。
片側の卵管が通っている場合には、自然妊娠の可能性があります。
一方、両側の卵管が通っていない場合には、自然妊娠や人工授精が難しくなるため、体外受精を検討することがあります。
Q. 卵管造影検査を受けるとすぐ妊娠できますか?
卵管造影検査後に妊娠しやすくなる可能性はありますが、検査を受けたからといって必ず妊娠するわけではありません。
検査結果をもとに、その後の妊活や治療方法を考えることが重要です。
Q. 検査後に出血や痛みがあったらどうすればいいですか?
検査後に軽い出血や下腹部の違和感がみられることがあります。
ただし、強い腹痛や発熱など、気になる症状がある場合は、検査を受けた医療機関へ相談してください。
8.さいごに
「卵管造影検査を受けましょう」と言われると、
「痛い検査だったらどうしよう」
「卵管が詰まっていたらどうしよう」
「もし悪い結果だったら……」
と、不安になるのは自然なことです。
特に、妊活を始めたばかりの方にとっては、「不妊の原因が見つかるかもしれない」ということ自体が怖いと感じるかもしれません。
しかし、検査を受けることは、悪い結果を知るためだけではありません。
今の身体の状態を知り、自分に合った妊活・不妊治療を考えるための大切な一歩です。
「まだ検査を受けるのは早いかな?」
「痛みが怖くて迷っている」
という方も、一人で悩まず、まずは医師に相談してみてください。
9. まとめ
卵管造影検査は、造影剤とX線を使用して、子宮の形や卵管の通過性などを確認する不妊検査です。
今回のポイントをまとめると、
- 卵管が通っているかを確認する重要な検査
- 子宮の形なども確認することができる
- 検査中に生理痛のような痛みを感じることがある
- 検査後に妊娠しやすくなる可能性がある
- 検査結果によって、その後の治療方針が変わることがある
- 卵管造影検査だけですべての不妊原因がわかるわけではない
ということです。
「妊活を始めたけれど、なかなか妊娠しない」
「不妊検査を受けたいけれど、何から始めればいいかわからない」
「卵管造影検査について詳しく知りたい」
という方は、まずは当院へご相談ください。
検査を通してご自身の身体の状態を知ることが、これからの妊活を考えるきっかけになります。

医療法人社団 中林産婦人科クリニック 理事
中林レディースクリニック 院長
<資格・免許・役職等>
医学博士
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医 ほか
<研究分野・専門分野>
生殖内分泌(卵巣機能)、周産期(胎盤機能)
神戸大学ならびに米国スタンフォード大学で卵巣機能、卵胞の成長について研究を重ねた。とくに排卵を促す黄体ホルモンの受容体の研究は高く評価され、2012年ノーベル化学賞をとられたDr. Kobilka との共著が2編ある。さらに、1930年に発見されてその受容体が不明であった、妊娠分娩に関わるホルモンのリラキシンの受容体を同定してサイエンス誌に掲載された。また甲状腺ホルモン以外に新しい甲状腺を刺激するサイロスティミリンを発見して話題になった。胎盤機能に関しては、神戸大学で中林グループの長として、6人の医学博士の学位の指導を行い、一流雑誌に掲載された。
<メッセージ>
スタンフォード大学と神戸大学で生殖医療の研究をしてきた高い専門性を背景に、生殖専門医として確かな治療を実践してきております。当院は先進医療を行える施設として、日々不妊治療と向き合っています。
姫路駅直結のフェスタビル北館2階の全フロアに不妊治療に特化した機器を導入し充実した設備で、質の高い不妊治療を患者さんにしっかりと寄り添って実践していきたいと思っております。
